いじめのある世界に生きる君たちへ - いじめられっ子だった精神科医の贈る言葉

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小学生の頃、いじめのようなものの渦中にあったことがあります。

それがいじめなのかそうでないのかはよくわからぬまま、「いじってるだけだし」というような言葉や顔をしていじめをはたらきかける少年たちのことを、ぼくはじっとしずかに見つめていました。

これはきっと、世に言ういじめというものなのだろうと、うしろから背中に蹴りをいれられたり石を投げられたりいやなことを言われたりしながら、

ぼくはそれでいてそいつらのことも時々はやっぱり友達のような顔をしたり話をしたり遊んだりする仲もあるものだから、

「なんでこいつはこんなことをするのだろう」とか、

「こいつがこうせざるをえないように仕向けているものはなんだろう」とか、

「こいつがこう考えるこの考え方や行為はいったいなんなのだろう」とか、

否が応にも、「他者」というものを考えさせられたものでした。

今にして思えばそうした「他者」へのまなざしの萌芽として、「私とあなたは別の、異なるいきものなのだ」という隔絶感とともに、それでもなお人としてあるということの共通するものや普遍のものを持ち、

同じことと違うことという、いきものといきものとが互いに向き合うことの基本のきを痛手を負いながらも学ぶことのできたことは貴重なものではあったけれども、

やっぱりいじめというものは断固として良くないものだという、いきものとしての基本のきをここであらためて明言しておきたいと思います。

そしてこの本のなかで中井久夫さんが再三言っておられるように「いじめ」というものが発生する要因は「いじめられる側」の非によるものではけしてなく、「いじめられる側」はいじめのワナのような構造の「犠牲者」なのであるといういじめの構造の基本のきをここに改めて確認しておきたいのだと思うのです。


精神医学というと本が好きでよく読まれる方のなかには河合隼雄の名前がすぐに浮かぶかもしれません。

ぼくは河合隼雄さんの本は大学の頃からたくさん読み、たくさんの学びをいただいたものですが、実は中井久夫さんという方のことを知ったのは二十代後半になってからで、あまりまだ深くは知ることのできてはいません。

けれども中井さん、ほんとうにすばらしい人です。そのことは確かにもうはっきりとわかります。敬愛する精神科医、いや敬愛する人間のひとりとしていまぼくは中井久夫さんのことをあげています。

中井さんの著作は河合隼雄さんのものと比べると少々むずかしいものが多く、それは本人も自覚しておられたようで、「私の論文を子どもが読めるようにしたい」ということを引き受けて本書は誕生したのだとあとがきに書かれてあります。

『いじめのある世界に生きる君たちへ ー いじめられっ子だった精神科医の贈る言葉』は、そんな中井久夫さんの著作『アリアドネの糸』のなかに収められた「いじめの政治学」のおはなしを、こどもたちでも読むことのできるように編集したものです。

中井久夫さんの提起されたいじめの三段階理論はひじょうに的を得ているもので、しかもわかりやすく納得できるものとなっていて、これはぜひ恵那市に暮らす少年たち、いじめの渦中にある子やその親、いじめてしまう子やそこに関わってしまう子、学校の先生からすべてのおとなたちこどもたちに読んでほしいと思い、うちの店に置くことを決めました。

お取引を承諾くださった中央公論の石原さまには感謝しています。

いじめの問題は、日本に暮らすどんな家庭にも関わりのないものではない事柄としてあるものです。どのようなひとであれ、潜在的にはいじめとふれているということを自覚したうえで大切なご家族がそのワナの構造に飲み込まれ、孤立化、無力化、透明化してしまうまえに前もって本書のような本を読み、その構造について理解して、おおきな過ちの起きることを未然に防いでいくことができたらと思います。

ご家庭に一冊、ぜひ。

中井 久夫著『いじめのある世界に生きる君たちへ - いじめられっ子だった精神科医の贈る言葉』

単行本: 100ページ
出版社: 中央公論新社 (2016/12/7)
サイズ: 19.4 x 13.6 x 1.6 cm

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